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テナント退去後の清掃は必要?|店舗・事務所の原状回復後に確認したいポイント

テナント退去後の原状回復工事が終わった物件を見て「このまますぐに募集や内見に出してよいのか」と不安に思ったことはないでしょうか。

原状回復工事が終わっていても、物件の状態によってはそのまま次の募集や内見に出せるとは限りません。床のワックス跡、什器を置いていた跡、手洗い場やトイレの水垢、ガラスの曇りなどが残っていることがあります。

物件の入居者を募集する前に、こうした汚れを清掃で整えておくことで、内見希望者が入居後の営業や業務をイメージしやすくなります。

本記事では、店舗・事務所などのテナントを次の募集へつなげるために、貸主・管理会社が押さえておきたい退去後清掃の考え方を解説します。清掃で対応できる汚れと補修を検討したほうがよい劣化の見分け方、依頼するタイミング、内見前に整えておきたい箇所についてもご紹介しますので、参考にしてください。

原状回復工事の後に清掃が必要な理由

原状回復工事とは、前の借主が使用していた内装や設備、入居期間中に付いた傷や汚れを、賃貸借契約で定められた状態に戻すための工事です。

ただし、原状回復工事はあくまで「契約上決められた状態まで戻す」ことを前提としているため、次の借主に向けて室内を魅力的に見せるための仕上げ作業までは含まれていない場合があります。

油汚れや什器跡、壁際のホコリといった前の借主の汚れがそのまま残っていると、入居を検討している事業者にマイナスの印象を持たれ、検討対象から外れる原因になるケースもあります。

そのため原状回復工事とは別に、次の借主によい第一印象を与えるための清掃の実施を検討しておくことが大切です。原状回復工事が終わった段階で、物件の状態を確認し、清掃の必要な箇所を把握しておくことで、次の募集に向けた準備が進めやすくなるでしょう。

内見時の見栄えが成約率に与える影響については「内見の第一印象が成約率を左右する理由」でも解説しています。

住宅とは異なるテナント物件特有の汚れ

テナント物件の清掃箇所を確認する際は、住宅の空室清掃とは汚れの種類が異なる点に注意が必要です。

住宅の退去後に多いのは、水回りの汚れや壁紙の汚れ、床のホコリなど、日常生活で発生する汚れですが、テナント物件では、前の借主の業種によってさまざまな汚れがあります。退去後のテナント物件に多い汚れは、主に以下のようなものです。

  • ワックスの黄ばみ・剥がれ
    長期間の使用や台車・キャスターの摩耗によって、床のワックスが黄ばんだり剥がれたりすることがあります。住宅より床面積が広い店舗では、ワックスの劣化が目立ちやすい箇所です。
  • 什器を置いていた跡
    棚やレジ台、デスクなどを長く置いていると、日焼けや床表面の汚れ方の違いによって周囲と色が変わって見えることがあります。
  • 壁際や床まわりのホコリ・配線跡
    陳列棚やデスク、OA機器などを撤去すると、壁際や床まわりにたまったホコリ、配線を通していた跡が目立つことがあります。家具や機器の裏側は普段の清掃が行き届きにくいため、退去後に確認しておきたい箇所です。
  • 厨房の油汚れ
    飲食店として使われていた物件では、厨房まわりや換気設備、床に油汚れが残ることがあります。住宅の台所よりも使用頻度が高いため、汚れの範囲が広く落ちにくい場合が多いです。
  • 水回りの水垢・尿石
    客用トイレや手洗い場は使用頻度が高く、水垢や尿石、臭いが残りやすい場所です。内見時に清潔感を左右しやすいため、確認しておきたい箇所です。

こうした汚れは、見た目だけでなく、臭いや床のべたつきとして残るものもあり、入居を検討している事業者の印象を損なう原因になりやすいものです。テナント退去後の汚れをチェックする際は、住宅の空室清掃と同じ範囲を見るのではなく、前の借主の業種や使い方に応じて、汚れが残りやすい場所を確認しておきましょう。

「清掃が可能な汚れ」と「補修が必要な劣化」の見分け方

退去後の室内を見たときに、すぐに張替えや補修が必要だと判断する前に、まずは清掃で対応できる汚れかどうかを確認することが大切です。

確認する場所清掃で対応できることがある汚れ補修・張替えを検討したほうがよい劣化
ワックスの黄ばみ、表面のくすみ、什器跡床材の割れ、大きな傷、表面材の剥がれ
表面のホコリ、軽い手垢、配線跡まわりの汚れクロスの破れ、剥がれ、下地まで染み込んだ汚れ
水回り水垢、尿石、鏡の曇り設備の破損、部品の劣化、排水不良
厨房・バックヤード表面に付いた油汚れ、床のべたつき床材の傷み、壁材の劣化、設備そのものの故障

清掃で対応できるかどうかは、汚れが表面に付いているだけか、素材そのものまで傷んでいるかが判断基準となります。表面の汚れであれば清掃やワックスの剥離・再塗布で改善できる場合がありますが、床材や壁紙、設備そのものが傷んでいる場合は補修や張替えが必要になることがあります。

現場では両方が混在していることも多いため、判断が難しい場合は、清掃と補修の両面から相談できる業者に現地を確認してもらうとよいでしょう。

清掃で対応できる汚れと補修・張替えが必要な劣化の見分け方については、「清掃で落ちる汚れと改装が要る劣化の見分け方」でも詳しく整理しています。

清掃を依頼する適切なタイミング

テナント退去後の清掃では、「どの作業のあとに清掃を入れるか」という順番と、「いつ業者へ依頼するか」という時期を分けて考えると、段取りを組みやすくなります。ここでは、清掃を入れる順番と、依頼を早めに進めたい理由について解説します。

清掃作業は工事・撤去のあとに入れる

退去後の作業は、次の順番で進むのが一般的です。

  1. 前の借主の退去
  2. 残置物・什器や設備の撤去
  3. 原状回復工事
  4. 清掃・美装
  5. 物件の写真撮影
  6. 募集開始

清掃を仕上げの工程として入れるのは、原状回復工事や什器の撤去のあとに、追加工事や搬出で再び汚れが出ることがあるためです。先に清掃を済ませてしまうと、撮影や内見の直前にもう一度汚れが付き、やり直しになるおそれがあります。物件の写真撮影日の直前に清掃を入れることで、整った状態で次の募集へ進められます。

依頼は退去日が決まった段階で早めに進める

業者への依頼や見積もりの相談は、退去日が決まった段階で早めに進めておきましょう。早めに相談しておきたい理由は、主に次のとおりです。

  • 退去が重なる時期は予約が埋まりやすい
    年度末や移転が多い時期は、清掃業者の予定が早く埋まることがあります。物件写真の撮影日や内見開始日が決まっている場合は、余裕を持って相談しておく必要があります。
  • 床のワックス剥離・再塗布には時間がかかる
    古いワックスを剥がして塗り直す場合は、清掃だけでなく乾燥の時間も必要です。撮影や内見の直前に依頼すると、十分な作業時間を確保できない場合があります。
  • 汚れが強い場合は作業範囲が広がることがある
    厨房の油汚れや水回りの尿石、床のべたつきなどが強い場合、通常の清掃より時間がかかります。事前に現地を確認してもらうことで、必要な作業範囲を把握しやすくなります。
  • 補修や張替えが必要な箇所を早めに判断できる
    清掃で対応できる汚れなのか、補修や張替えが必要な劣化なのかを早めに確認できれば、募集前の段取りを組みやすくなります。

なお、店舗や事務所などの事業用テナントでは、原状回復の範囲や費用負担が賃貸借契約や特約によって変わります。どこまでが前の借主側の原状回復工事で、どこからが貸主・管理会社側で手配する清掃にあたるのか、契約内容もあわせて確認しておきましょう。

業者に依頼する前に確認したい場所別のポイント

清掃範囲と依頼時期を決めたら、業者に依頼する前に物件の状態を見ておきましょう。退去後清掃では、すべてを一律にきれいにするより、内見者の印象や入居後のイメージに関わりやすい場所を優先することが大切です。

どこを重点的に依頼するか、作業後にどこを確認すればよいかを把握しておくと、業者への指示や仕上がりのチェックがしやすくなります。

メインスペースは床と壁際を確認する

店舗や事務所のメインスペースは、内見者の視界に入りやすい場所です。床のくすみやワックスの黄ばみが残っていると、室内全体が暗く見えることがあります。また、壁際もホコリや、棚・デスクを置いていた跡、巾木の黒ずみが目立ちやすい箇所です。

古いワックスが残っている場合は、表面を拭くだけでは色ムラやくすみが取れないことがあります。床の状態に応じてワックスの剥離や再塗布を依頼すると、室内の明るさや清潔感が戻りやすくなります。

厨房は油汚れと臭いを確認する

飲食店向けの物件の場合、厨房は内見時に重要視される場所です。壁や床、換気扇まわりに油汚れが残っていることがないか確認しましょう。

油汚れは時間が経つほど落ちにくくなるため、汚れの状態に合った洗剤や方法で対応する必要があります。空調や換気設備に汚れが残っている場合は、表面の清掃だけでは臭いが取れないこともあります。

業務用エアコンの汚れについては業務用エアコンの清掃ポイントで詳しく解説しています。

トイレ・手洗いまわりは水垢と臭いを確認する

トイレや手洗いまわりは、物件の印象に直結しやすい場所です。トイレの便器の黄ばみや尿石、手洗い場の水垢、鏡の曇りの有無を中心にチェックしておきましょう。

水回りの汚れは、見た目だけでなく臭いにもつながります。内見時に清潔感を損なわないよう、便器や手洗い場だけでなく、床まわりや排水口付近も確認しておくことが大切です。

入口まわりとガラス面に汚れがないか確認する

入口やガラス面は、内見者が最初に目にする場所です。ガラスに曇りや指紋、シール跡が残っていると、室内まで暗く見えることがあります。入口まわりの床が汚れている場合も、入った瞬間の印象に影響します。

ガラスの透明感やサッシの汚れ、入口まわりの床を整えておくと、室内に入ったときの明るさが伝わりやすくなります。物件の第一印象に関わる場所なので、物件写真の撮影前や内見前に優先して確認しておきたい箇所です。

テナント退去後清掃の費用が変わる主な要因

テナント退去後の清掃費用は、広さだけで決まるわけではありません。同じ面積の物件でも、汚れの種類や作業範囲、床の状態によって必要な作業時間が変わります。

費用を正確に把握するには、現地で汚れの程度や清掃範囲を確認することが大切です。特に費用に影響しやすいのは、次のような項目です。

  • 清掃する面積と区画数
    清掃範囲が広いほど、作業人数や作業時間が増えます。メインスペースだけでなく、厨房やバックヤード、トイレ、入口まわりまで含めるかによっても費用は変わります。
  • 汚れの種類と程度
    厨房まわりの油汚れ、トイレの尿石、手洗い場の水垢などは、汚れの程度によって使用する洗剤や作業時間が変わります。長期間残っていた汚れほど、通常の清掃より手間がかかることがあります。
  • 床の剥離・ワックス作業の有無
    古いワックスの剥離や再塗布が必要な場合は、通常の床清掃より工程が増えます。床材の種類やワックスの残り方によっても、作業内容が変わります。
  • ガラスや高所の清掃範囲
    大きなガラス面やショーウィンドウ、高い位置の照明・ダクトなどを清掃する場合は、専用の道具や足場が必要になることがあります。
  • 希望する作業日程
    物件の写真撮影や内見開始日が迫っている場合、短期間で作業体制を整える必要があります。日程に余裕がある場合と比べて、対応できる作業内容や段取りが変わることがあります。

テナント退去後の清掃では、費用の安さだけで業者を選ぶのではなく、物件の状態を見たうえで必要な作業範囲を判断してくれる業者に相談することが大切です。床のワックスや厨房の油汚れ、水回りの臭いなどは、表面だけでは作業内容を判断しにくい場合があります。見積もりの段階で清掃できる範囲と補修を検討したほうがよい範囲を整理してもらうことで、募集前の段取りも進めやすくなるでしょう。

まとめ

本記事では、テナント退去後の原状回復工事後に清掃が必要になる理由や、清掃で対応できる汚れと補修が必要な劣化の見分け方、清掃を依頼するタイミングについて解説しました。

  • 原状回復工事が終わっていても、床のワックス跡や什器跡、水回りの水垢などが残ると、内見時の印象を下げることがある
  • 店舗・事務所には、住宅とは異なる業務由来の汚れが残りやすい
  • 清掃で対応できる汚れと、補修・張替えが必要な劣化を分けて判断する
  • 清掃は、原状回復工事後から物件写真の撮影日までの間に入れるのが目安
  • メインスペース、厨房、水回り、入口まわりなど、内見者の目に入りやすい場所を優先して整える
  • 清掃費用は、面積だけでなく汚れの程度や作業範囲によって変わるため、清掃できる範囲を見極められる業者に相談する

テナント退去後の清掃で大切なのは、単に汚れを落とすことではなく、次の借主が内見したときに営業や業務を始める場として前向きに検討できる状態へ整えることです。清掃で対応できる汚れと補修が必要な劣化を見分けたうえで、募集開始日に間に合うよう、早めに清掃範囲と依頼時期を確認しておきましょう。

テナント退去後の清掃は雄英美装にご相談ください

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神戸を中心に関西圏で年間200件以上の現場を手がけてきた美装職人が、床のワックス剥離・再塗布からガラスや水回りの仕上げまで、次の募集に向けて対応します。「清掃でどこまできれいになるか知りたい」「補修や張替えが必要か判断して欲しい」という段階でもお気軽にお問い合わせください。

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